Spinnerei Halle14での非公式な絵画展

2016 “Leipzig Musiker” Halle14, Spinnerei(ドイツ・ライプツィヒ)

ドイツ・ライプツィヒの西のはずれに、紡績工場群跡地を再利用した「シュピネライ」という巨大なアート施設がある。

国際的なギャラリーが幾つも並んでいるし、ホームセンターみたいなサイズの画材屋さんにはキャンバス枠の3mとかも平気で売っている。
アトリエを構えているアーティストも100人以上いて、いろんな国から滞在制作に来たりする。
アーティストにとってのディズニーランドみたい。
年に3回、「ルンドガング」という大きな展覧会の日があり、様々なギャラリーやアトリエが一斉に開かれる。

僕はここで絵を展示したことがあるけど、全然正式な感じではない。
それが面白かったので書いておく。

建物がたくさんあるので、それぞれの建物には番号が振られていて地図で分かりやすく見れるようになっている。
14番の建物の4階の奥には共同アトリエがあり、僕は友達のスペースを一時的に借りていた。
丁度ルンドガングが目前に迫っていたので幸運にも出れるのかとおもいきや、このアトリエは出ないという決定がされた。
僕は当時ドイツ語が全然できなかったし、正式なアトリエメンバーでもないから仕方がない。

なので、シュピネライの事務所に行って展示場所はないか、たどたどしい英語で聞いてみた。
ルンドガング直前にもう一度来るように言われ、行ってみたら結局場所はなかった。
ガッカリした勢いで好きなギャラリーの人に話しかけてみた。
そしたら、14番の建物の廊下に展示してもいいよ。とのことで、そこに絵を並べた。

その日は一年で一番寒く、-20℃の大雪の日。
暖房もなければ照明もない、知らない人の荷物も置いてある、人の通りゆく廊下での非公式な絵画展。
めちゃくちゃ寒い中で一緒に座っていてくれた友達や、自転車で転んでドロドロになりながらやってきてくれた友達もいた。

夕方になると、14番の建物の管理権限のあるおじさんがやってきた。
「何をしている?片付けろ!」と言われ、ゆっくり写真を撮る余裕もなくいそいそと片付けた。
丁度その直前に絵を一枚ちゃんと買って頂いていたのが面白かった。

帰りの路面電車で絵を運んでいたら、ルンドガングの帰り?と知らない人に声をかけられたので、「いい絵でしょ?盗んできたんだ」と答えた。