お蔵入り人生


八百屋barの裏庭の蔵に居候。
居候は、「居、候。」
居る以上のことは何もしない。

とはいえ、お店のデザイン、会計の手伝い、皿洗い、トイレ掃除、DIYのお手伝いをした。
多分食客に近い。

裏庭の蔵は町の皆さんが掃除をされて、それから八百屋barのみんなが掃除をしてくれて、それから僕が掃除をしてやっと寝れるようになった。

雑巾を絞ったバケツを何十往復も運んだり、床下から大量の笹を掘り起こした。
欲しいと言ったら古畳をいただいた。

夏は隙間から虫が入り、裸電球に群がった。
蚊取を焚いて裸電球の下に寝ていたけど、朝起きると自分の上に虫がいっぱい死んでいた。
夜中に猪がぶつかる衝突音で目が覚めたりするし、毎朝アシナガバチが3匹くらいいた時期もあった。

毎日が文化祭のような、夢と現実が曖昧な豊かな暮らしだった。


2014年6月〜12月、2016年12月〜2017年12月