身近なもので漆喰自体をDIY

漆喰自体をDIYで作れないかと10年以上試行錯誤した記録です。
特別な材料は必要ないのでどこでも再現できます。
途中で材料が足りなくなっても、ホームセンターに行けば事足ります。
手間はかかりますがペンキより安くできるので、お楽しみにどうぞ!


元の記事:https://note.com/miauchi/n/n30f601a24b62
ずっと読まれ続けているので、2026年6月に作り方を少しだけ更新しました。
AIに聞いたところ、身近な紙を水に溶かす方法が先駆的だったそうです。

本物の漆喰の中身はこんな感じ

●消石灰
建設用消石灰。水を混ぜると時間をかけて固まる。

●すさ
石灰をつなぐための繊維。藁や麻など。高級な仕上げ用には和紙。最近のものは化学繊維。

●のり
伝統的には接着ではなく作業性を良くするための保水目的で混ぜる。米糊のでんぷん質やフノリやツノマタという海藻を煮たものを使う。最近のものは科学のり。(科学のりたっぷりのものは、呼吸をしないので漆喰としての機能を失う?)

●骨材
砂など。中塗り等の際に強度を上げるために混ぜる。仕上げの薄塗りでは使わない。

●油
屋外や水回りなど撥水用。荏油や桐油などの乾性油
(乾くと固まるタイプの油。それを一度火にかけて酸化させたものを使う?)

●顔料
酸化鉄などの色をつけるための粉。

実験してみた代用品

●消石灰
粉末タイプの農業用消石灰。ホームセンターで20kg700円。
2mm程度の薄塗りで約7坪塗れるのでペンキより安い。
粉末消石灰として販売していても、製品によって粉末の大小がある。
大きいものは中塗りや粗い仕上げに使い、小さいものは滑らかに仕上げたい時に使う。

●すさ
障子紙または、新聞紙、トイレットペーパー、水でふやかした段ボールなどの、簡単に大量に手に入る繊維を使う。
新聞の場合、最初は黒っぽくても乾燥すると石灰の白の方が強くほぼ白になるが、本物の漆喰と比べると少しだけグレーがかる。障子紙とトイレットペーパーを使うと、真っ白に仕上がる。

●のり
乾燥しすぎて困るときに、デンプンのりの大きいやつを入れる。

●骨材
かき殻石灰(ホームセンターで20kg700円程)または、セメント用の砂。

●油
乾性油(桐油や亜麻仁油などの乾くと固まる系の油)
ボイル油も。(以前はサラダ油を熱して使っていたが、ボイル油の勘違いだった)

●顔料
粉末顔料のほか、水性ペンキや水性ステインを代用する。顔料と樹脂と水でできているので、樹脂を科学のりと考えれば使えるはず。

作り方

①新聞紙を水に溶かす
水の入ったバケツに紙を入れ、手でかき回して少し重みを感じる程度のドロドロにする。
新聞一枚ずつ丸めて入れないと溶けにくい。お湯の方が溶け易い。
後でミキサーするので、完全に解けなくても大丈夫。
入れる場合は、のり、油、顔料(ペンキ)はこのタイミングで混ぜておく。

②消石灰の準備
別のバケツに消石灰を入れる。
使う場合は、骨材や顔料(粉末)を入れる。
シャベルなどでしっかり混ぜておく。

③ ①と②を混ぜる
②のバケツに①の新聞水を少しずつ入れて、シャベルなどで大まかに混ぜる。
混ぜやすくなった頃、ミキサーで混ぜる(ホームセンターに売っているドリルの先端にくっつけるミキサーがとても優秀)
紙の繊維が細かくなるようにしっかり混ぜる。硬すぎても柔らかすぎても使いにくい。生クリーム状になったら完成。
基本的に、コテ板に乗せた時に少しだけ粘りながら落ちる程度を目指す。
下地が水を吸う具合を見ながら調整する。

※乾燥して割れたら上から2度塗りする。

配合比

●消石灰と新聞紙と水
既製品の粉漆喰は乾燥状態のすさを消石灰に混ぜてあるが、今回はすさを紙の繊維で代用するので先に紙を水で溶かす。

水 8L : 新聞8枚(トイレットペーパーの場合は1〜2ロール)
消石灰 1 : 紙が溶けた水 0.8~1.2(体積比。調整しながら混ぜる)

※ これだけでもOKなので、以下は必要な時にオプションで入れる

●のり
消石灰 10kg : でんぷんのり 300g
(市販のでんぷんのりの内容は、でんぷん1:水2と考える)

●骨材
消石灰 1 : 骨材 1~2(体積比)

●油
消石灰 20kg : 乾性油 500ml

●顔料
ペンキの顔料の濃度を予想して配合する。
絵の具の顔料を参考にすると、大雑把に畳2枚(3.6m2)で顔料100gになる。
塗料の表示塗り面積から、顔料の配合量を予想する。
重量比で顔料1%で淡色、5%で中間色、10%濃色と考える。
顔料の配合が10%を超えると強度が弱くなるので、濃色を作る場合は要注意。

下地の代用

●石膏ボードの場合
塗り壁用のラスボードはホームセンターにない場合が多いが、石膏ボードは簡単に手に入る上に厚みが選べる。
ラスボードの凹みの代わりに、バールで漆喰が引っ掛かるための傷をつける。

●セメント系の場合
コンクリートに塗装用のシーラーを塗って、半乾きの状態で漆喰を塗った。
50年もののコンクリートに施工したが、5年経っても問題ない。

おわりに

この方法は邪道感が最高なのですが、親切な材料屋さんがご近所にあれば素直に相談されることをお奨めします。一生懸命やっても、下地が悪いと最悪剥がれます。

建築を勉強する前の2009年、農業用消石灰に自分で切った麻紐の繊維を混ぜて作った漆喰を塗ってみました。下地は壁紙を剥がした石膏ボードでした。この時のものは天井に塗ったもの含めて、東日本大震災やその後の台風の揺れにも落下することなく耐えました。

その後、新聞や障子紙を混ぜることを思いついて一気に安定しました。骨材や油を混ぜて外壁に使ってみたり、ペンキを混ぜたりもするようになってアレンジの幅が広がってきました。前よりもまた一歩安定したかな、と思ったので方法を書き出してみました。

最近は、自分の周囲にも空き家をDIYで直す人が増えてきて嬉しいです。お金がなくても自分で壁が作れる=家のあり方が軽くなる=生きる自由ができる。ではないかと思うので公開することにしました。

以下、作業の写真を貼っておきます。

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綺麗な漆喰になるとはとても思えない新聞のドロドロ。指にまとわりつくくらい入れる。
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新聞のドロドロと消石灰を混ぜて漆喰になったところ。
コテを返した時に一瞬張り付いてから流れ落ちる、クリーム状を目指す。
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石膏ボードに、バールの爪側で引っ掛かりを作ろうとしたところ。マイナス側の方が良さそうだった。
メッシュテープをしなかったので、しっかり割れた。
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完成した部屋
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上の写真の部屋の反対側。この面積で700円程度。
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バーミキュライトを混ぜて外壁に塗ってみた。色むらは治ったがバーミキュライトは失敗だった。
牡蠣殻石灰と油を混ぜたものを塗り直した。
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別の物件のちょっと立派にできた部屋。
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職人みたいな仕上がりには到底及ばない。配合は新聞と消石灰のみ。
トイレットペーパーや障子紙を使うと、通常の漆喰と同等の白色になる。
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混ぜ方が甘いと新聞がぶつぶつになる。
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余っていた障子紙をすさに使い、茶色のペンキと粉末顔料の黄色と黒を混ぜて作った漆喰。
下地の吸い込みが激しくて塗りづらかったがそれで良い。ガタガタした、表情のある壁になった