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激安新聞漆喰の作り方

2020年5月5日
noteにちょっと見やすく書きましたー。
https://note.com/miauchi/n/n30f601a24b62

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質感が面白く、機能的にも調湿、防カビ等に良いと言われる漆喰。
昔から高級仕上げとされていただけあって今なお高い。
邪道なのでしょうけれど、壁紙よりペンキよりも安くできる方法を考えました。
材料費はほぼ消石灰だけなので、20kg600円程度。普及品の1/10の値段です。

初めは2009年頃、漆喰の材料を調べて壁と天井に塗りました。
下地は、壁紙を剥がした石膏ボードに直塗り。
2011年の震災やその後の災害の揺れにも落下することなく持ち堪え、そろそろ10年になります。
当時は無理やりやっていたものを、今回のシェアハウス工事で多少はコントロールできました。
DIY向けに安く漆喰を塗る方法として少しまとめたので公開します。
まっ平らな面も作れたけど、綺麗な塗りを目指しているわけではありません。
本物の漆喰に重ね塗りすると色が違います。

一般的な漆喰の材料
●消石灰
水と混ぜると時間をかけて固まる。砂を混ぜたり炭を混ぜたりもする。
●すさ
石灰をつなぐための繊維。藁や麻など。高級な仕上げのものは和紙。最近のものは化学繊維。
●のり
作業性を良くするために入れる。伝統的にはツノマタという海藻を煮たやつ。最近のものは科学のりだったりする。科学のりが固まって吸湿性がなくなるなら、漆喰としての機能を失うと思う。僕は2010年当時、澱粉のりを混ぜたりしたけど、米のりも良いと思う。
●油
撥水性を上げる。一度火にかけた桐油が良いらしい。


新聞漆喰の材料
●消石灰
ホームセンターで売っている農業用の粉末消石灰、20kg600円程。
20kgを2mm程度の薄塗りで、一部屋(約7坪分)を塗れた。

●新聞紙
和紙の代わり。簡単に大量に手に入る。インクで黒くなるより石灰の白の方が強い。

<オプション>
●かき殻石灰
少し厚みが欲しい場合や、屋外など強度を出したい時に混ぜる。薄塗りはできない。
ホームセンターで売っている。20kg700円程。

●サラダ油
屋外や水回りなど、撥水力が欲しい時に混ぜる。
酸化の具合がなんとやらだったはずなので、鍋に入れて少し煙が出るくらい火にかけてみた。
後から完全に乾く乾性油の方が理想だと思うが、安く楽に手に入るので代用する。

(のりは入れなかった。米のりが面倒臭いし、うまく配合できれば作業性にはあんまり困らない。)


基本の配合比(体積比)
調整しながら混ぜること。
消石灰1:水0.8-1.2程度
かき殻石灰を使う場合 消石灰1:かき殻石灰1を予め混ぜておき、水1と練りながら調整。
サラダ油を使う場合 水20L:サラダ油300ml

作り方
①水の入ったバケツに、新聞紙を一枚ずつ丸めて入れ、手でかき回して溶かす。
バケツ1杯に新聞1日分(3Lに8枚)程度。新聞を丸めずに入れると溶けにくい。塗るときに困るので良く溶かす。お湯の方が溶け易い。
②別の容器に消石灰を入れ、同量より少なく(7割程度)新聞水を入れる。
先に石灰を入れると、混ぜる時粉が飛びにくい。柄杓が便利。
③撥水したい場合、サラダ油を入れる。
④水を入れてかき混ぜて加減を見る、を繰り返す。
しっかり混ぜる。硬すぎても柔らかすぎてもダメ。生クリーム状が理想。
手で混ぜるのは大変。ホームセンターで売っているドリルやインパクトの先端にくっつけるミキサーがとても優秀。飛び散るので困らないように周囲を養生する。
⑤通常の漆喰と同様に塗る。下地の継ぎ目はメッシュテープをする。乾燥して割れたら数日後に2度塗りする。

 

下地の工夫
●石膏ボードの場合
バールで材料が引っ掛かるための傷をつける。
写真ではバールの爪の側で傷つけているけど、反対のマイナス型の方で打ったりもした。
ラスボードの凹みの代わりで、厚みが選べる。
調湿性能とリサイクルを考えると悪い材料ではないと思う。

●セメント系の場合
塗装用シーラーを塗って、半乾きで強引に漆喰塗りをしてみた。
防水モルタルのようだったけど、3ヶ月は持っている。

 

実際にやってみた方は是非お知らせください。
以下、気持ちばかりの参考画像です。